◇第1章 生き残るには法則がある
《いまの生き方しだいで明日は変わる》

運命は存在しない、あなたが人生をつくる

だから、たとえ、先の阪神大震災のような、大きな災害に遭遇したとしても、その生かそうとする力が、その人にはたらいているうちは、生き延びられる。もし、その力がその人に通わなくなれば、その人は命を落とす。

一見偶然のように見えても、じつは必然なのである。

では、どういうときに、その生かしめている力がその人に作用しなくなるのか。つまり、いつ、死ぬことが決定されるのか。

これも先ほど述べた一定の厳密なルールがあるのだ。

しかし、これを説明する前に、もう一度、根本的な疑問にお答えしなければならない。

それは、「運命はほんとうにあるのか」「人生は何によって決まるのか」についてである。

人が好んで使う「運がよかった、悪かった」というのは、厳密にいえば、運ではない。「運」というと、なにかとてつもなく自分の存在とはかけ離れたところで人生のすべてが決定されてしまうように錯覚を起こすが、これは間違いである。

運というものは存在しない。これははっきりしている。人間の運命が最初から定められているとするならば、人間があえてこの世に誕生して生きていく意義も必要性も存在しなくなる。最初から、いつ、どこで死ぬということがわかっていたら、その人間は、いったい生きていることにどんな価値を見出せばいいのか、途方に暮れるだろう。

いつ死ぬかわからないから、未来を夢見て、一生懸命生きられるのである。

しかし、先ほども言ったように、厳密なルールがあり、それにもとづいて人生が決定されているのも事実である。

そのルールとは何か。それは、原因があって結果がある、という「原因と結果の法則」と呼んでもいい宇宙すべてにかかる法則である。

わかりやすくいうと、すべての現象は、原因があって、その原因にもとづいた結果が必ず生じてくるものなのである。つまり、現象化するには、必ずその原因となるものが存在するということだ。まさに、火のないところには煙は立たないのである。

ならば、あなたの人生において、原因をつくっているのは、ほかならぬあなた自身である。あなたの人生は、あなた自身がつくっているということになるのだ。

だから運命などというものは存在しないことになる。すべてはあなたが原因をつくり、結果を決めている。あなたが人生を形づくっているのだ。

あえて運命というものがあるとしたなら、人間はいずれ死を迎えるというこの一点だけである。