◇第1章 生き残るには法則がある
《法則に沿えば大災害でも救われる》

よろこびの(おも)いを刻めば災難は寄せつけない

さて、それでは「よろこびの(おも)い」とは具体的にどのようなことをいうのであろうか。たとえていえば、すがすがしい朝を迎えたときの、あの一点のくもりもないそう快な気分を、つねに持続しつづけることだといえる。

あなたは子どものころ、ふと目を覚まして今日が日曜であることに気づいて、なにやらわけもなくうれしくてたまらなくなったという経験をおもちではないだろうか。この「わけもなくうれしい」という気持ちである。それが生活のなかでこみ上げてくるようになれば、まず法則に沿えているということなのだ。

簡単明瞭なことである。が、しかし、これほど難しいことはほかにないのかもしれない。このような無垢なよろこびを感ずるには、あまりにも私たちは「目に見えることがら」にとらわれすぎているのだ。

私たちが通常感じうるうれしさというのは、たとえば昇進、たとえば入試の合格、あるいは思いもよらず大金が入ってきたなどの、いってみれば利害に関することがらが圧倒的に多い。

そうではなく、ただ平凡に流れてゆく日常のなかに、心底からよろこびが()き上がってくるのでなければならない。そうなるには、まず、自分への執着から離れることである。

「自分」を手放した人には欲望がなく、足ることを知っている。だから、いまある自分に満足し、他のためを心底から考えるようになる。つまり法則の説くところの「他を活かす」ということが実践されるのだ。たとえ病気などの、はたからは逆境と見えるような状態にいようとも、こういう人は(はら)の底からよろこべており、他の人を自分の生きざまをもってよろこびに導く。

それが法則に沿うということである。そして、このよろこびこそが、いかなる大災害からもあなたを救ってくれるただ一つの方法なのだ。