◇第2章 生き残るのは奇跡ではない
《災害を寄せつけない自分になれ》

人生はもともと繁栄そのもの、健康そのもの

そして、先の大地震との遭遇である。Kさん一家が難をのがれたのも、Kさんとその家族が、日々プラスの(おも)いを刻んだ生活をしていたからにほかならないのである。つまり、Kさんの家には、マイナスを寄せつける原因が消えていたのだ。だから、どんな災難に遭遇しても最小限の被害ですんだのだ。

これが以前のKさんならば、地震とともに家屋倒壊の結果を招いていてもおかしくなかったはずだ。

これが、人間の(おも)いの力であり、人間のもつ本質的な生命力なのである。

私はどの著作でもいっていることだが、人間はもともと、億万長者そのものであり、健康そのものであり、繁栄そのものの人生を送れるようになっているのである。当然、事故や災難を引き寄せることのない生活をすることもあたりまえのこととしてやれるはずなのである。

ところが、現代人の多くは、アタマの算段だけで人生を渡ろうとして、現実の壁にぶち当たる。悩まなくてもいいことを悩み、人生をよろこぶことがない。そういう生活を続けたのでは、不幸が次々に寄ってくるだけである。マイナスの(おも)いがそのまま生活に出てくるのである。

だから、そのアタマの算段、つまらぬ損得計算で動く癖をあらためなければ、人生は好転してはいかないのだ。

だから、アタマを取れというのだ。アタマが取れたら、それこそ、事故や災難に遭うこともなく、繁栄が約束されたも同然である。

人間ならば、等しくその資質はもっているのである。要は、首から上の「思い」で生きるか、首から下の「(おも)い」で生きるかの違いで人生は大きく二つに分かれるのだ。

繰り返しになるが、天災に遭わない自分になるには、まずアタマを取るべきなのだ。

次章では、実際にアタマを取った人が、阪神大震災でどういう現実に遭遇したのかを実例を挙げて述べてみたい。アタマを取った人がどれほど現実を超越する力をもっているのか、よく知ってほしいのである。