◇第4章 法則は厳しいが、愛そのもの
《命がけで(おも)いを正せ》

法則は血も涙もないが、愛そのもの

私がこれまで述べてきた自然の法則は、人間の常識からすれば、とてつもなく厳しく、まさに血も涙もないと感じられた方もおられるかもしれない。

しかし、災難は私たちの常識を超えたところでつねに起こるものだ。

先の阪神大震災で被災された方々の心中は察するに余りある。しかし、大切なのはこれからである。これからどんな生活を送るのか。天災を人のせいにしてもしかたがない。このことだけははっきり言わせていただきたい。

大自然は唯一、法則にもとづいて人を裁くのだ。そこにはなんの温情も情けもはたらかない。

法則は、たとえ人情味があって人当たりがいい人であっても、たとえ一生懸命働いている人でも、平気でその人をがんにしてしまう。「まさか、こんないい人が……」という人が、事故や事件に巻きこまれて命を落としたりする。このことは、日常で私たちがよく経験していることだ。

天は非情だと嘆いてみても始まらない。すべて法則にもとづいた結果なのである。

しかし、理解してほしいのは、法則は「人間を苦しめるためにはたらいているわけではない」ということだ。

ならば、なぜあなたに試練を与えるのか。

それは、あなたに、人間としてほんとうの(はら)からのよろこびを感じてほしいからだ。

「なぜ悩んでいるのですか。なぜ苦しんでいるのですか。なぜ頭をかかえる必要があるのですか。あなたの心臓はいまでも動いているのですよ。どうしてそれがよろこべないのですか。人生とはほんとうは楽しいものです。それを楽しめなくしているのはあなた自身ですよ。もっとよろこびなさい。もっと(はら)からプラスの(おも)いを()かせなさい」

もし、天があなたに直接語りかけるとすれば、きっとこう言うに違いないのだ。

だから、さまざまな形で警告を与えて、ほんとうの人間に目ざめるきっかけを与えてくれているのだ。なにもあなたが憎いからではない。

地震がきたら、「目ざめなさい」ということ、火山が爆発したら、「もっと(はら)からよろこびを()かせなさい」ということ。すべて地球がみずからのエネルギーを示すことで教えてくれているのだ。

それに一日でも早く気づいてほしい。